カセットコンロになかなか火がつかず…ガス漏れ
10月13日 児童8人体調不良 小学校で理科実験中 福岡市
学校関係者によると、当時、理科室には4年生の児童26人が集まり、直径約5センチの鉄球をカセットコンロで熱して体積を変化させる実験を行っていたといいます。
しかし、カセットコンロになかなか火がつかず、児童たちが操作を繰り返していたところ、ガスボンベから漏れたガスを児童8人が吸い込み、体調の不良を訴えたということです。・・・・
子供たちの学びの場での安全をいかにして守るか?
福岡市教育委員会は再発防止策を検討する方針です。
《同ニュースより抜粋》
怖いですね。学校で事故ですか。
理科の実験って、いろいろな器具を使ったりするので、時には危険なこともありますが、今のところ大したことはなさそうでホッとしました。
教師の予備実験が足りなかったのか、それともカセットコンロの故障なのか、或いは着火の仕方がよく分からなかったのか、原因ははっきりとは分かりませんが、とにかく、カセットコンロに火が点かずに生ガスが出てしまったと言うことですね。
ガスは無毒だが窒息に注意
ブタン・イソブタン・プロパン自体に毒性はなく、そのため漏れたガスを吸っても人体に悪い影響をもたらすことはありません。しかしガスを吸って空気が吸えなくなると窒息の恐れがありますので、部屋の中にガスが充満してしまった際には爆発以外に酸欠の心配もしなくてはなりません。ガスが気化すると体積は250倍
液体のガスが気体になると、その体積は約250倍になります。狭い空間に誤って液体状のガスを大量にこぼすと、液体ガスが一気に気体となり部屋の空気を外へ追いやってしまいます。窒息する恐れがあるため注意が必要です。《同記事より抜粋》
元々、火をつけるので、教室の換気は十分していたと思いますが、何回も操作したことで、大量のガスが漏れてしまったのでしょう。
★ガスボンベやライターなどに入ったガスを吸う「ガスパン遊び」のように、ガスを吸い続けたので軽い酸欠状態となり、脳が一時的に麻痺したのかもしれません。
確か、アルコールランプは取り扱いが危険 (アルコールが少ないと爆発、炎が見えにくいので机にこぼしてしまうと大変) だからと、ガスバーナーなどに置き換わっていたと思いますが、下のような「理科実験用ガスコンロ」を使っていたのかもしれません。
《Amazon》
今の時代はマッチもないし、マッチを使う場面もなし。もちろんマッチを擦ったことがない子もいます。
家庭用のコンロだと、ボタンを押し続ければ火花が飛んですぐに着火しますが、子ども達はそんな着火体験をしていたのでしょうか?
なぜ点火しない?
カセットボンベがきちんと装着されていれば点火するはずですが、カセットコンロの着火 (キャンプ用やイワタニ製も) はゆっくりとツマミを回して行うのが常識です。
素早く回すと、逆に火が点かないんですね。
もしかして、火が点かないからと慌てて何度もガチャガチャと素早くツマミを操作してしまったのかもしれません。それで大量のガスが気化してしまった。
下の動画でも、ツマミをゆっくりと回して着火させています。
ニチネンのカセットコンロの取扱説明書にも
①「器具栓つまみを〔点火〕の方向へ“カチッ”と音がするまでゆっくり回し、バーナーに火が点いたことを確認してください。」
②「一度で点火しないときは、器具栓つまみを〔消火〕の位置まで戻し、①の動作を繰り返してください。その場合「ボッ」という音がして少し炎が上がる恐れがありますので、顔や手をバーナーに近づけないでください。」さらに、注意欄には
「 点火していないのに、器具栓つまみを〔消火〕の位置以外にして
おくと、ガス漏れを起こし危険です。必ず着火を確認してください。」とも書かれています。
また、ガスには臭いがついている筈ですが、それにも気づかなかったのかもしれません。
何よりもガス爆発にならなかったのが幸いでした。
ガスコンロはマッチを使わずに簡単に着火することができますが、やっぱり、ある程度の知識と経験が必要なのかも知れません。
たかがカセットコンロですが、きちんと上のような操作方法を知っていないと、事故につながってしまうという事例です。
特に、初めて操作する子には、実験の前に着火の練習をさせておいた方がよかったかもしれません。
理科の実験に限らず、家庭でお子さんに着火させる時も注意が必要という事ですね。